新宿の夕焼け。
高島屋のビルに夕焼け空が映っていました。
大自然の壮大な夕焼けも美しいけれど、夕焼けを映すビルがあると、夕焼けの美しさを増幅させる気がします。
ずっと前の大学生のときに冬の北海道を旅したことがありました。
民宿に泊まって、夜に車で30分ぐらいの温泉に連れて行ってもらったのですが、そのあたりは「原野」と呼ばれるような土地だったので、とにかく灯りが少ない、よく見えない、何もない…という印象でした。
温泉であたたまって出てくると温泉のすぐ前に無人駅がありました。
外は雪が降っています。
無人駅のホームに立つと、単線の線路がすーっと伸びているのが見えました。
周囲が真っ暗で駅のところだけ明るいので、線路はまっすぐに伸びていき、そして闇に消えていきます。
暗闇と雪の中にまっすぐに伸びている線路を見て、これを人間が作ったんだ…と思うと、この原野と、人間が作った線路と、どちらも優劣なく美しいと感じました。
それまで北海道を旅する中で自然の美しさに心を動かされていたので、人間の作ったものに美しさを感じたのは自分でも意外な気がしました。
新宿高島屋のビルに映る夕焼けを見て、そんなことを思い出しました。