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リスペクトがあるからこその挑戦【オリエント急行殺人事件 2017年版】

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オリエント急行殺人事件の2017年版をやっと見ることができました。(ネタバレなしです笑)

 

飛行機で英語版を見たのですが、2回見てもよくわからず💦

ずっと字幕で見たいと思っていたのです。

 

旧版(1974年)は公開されたときに見たほか、それから30年ぐらい経った頃にも見ました。

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アガサクリスティが好きなので、原作も読みましたが、1974年版も原作もそれぞれの良さがありました。

 

さて、気になっていた2017年版ですが…

 

まず、2017年に新しいオリエント急行殺人事件が公開されると聞いたとき、正直「なんで?」と思いました。

 

1974年版の完成度が高かったので、あえて新しく作る意味がわからなかったのです。

 

でも、今回2017年版を見て、新しく作った意味がわかったような気がしました。

 

2017年版では、ハーバード夫人の髪型など、1974年版とわざと似せていることもあれば、アーバスノット大佐を黒人の医師という設定にするなど、人物設定を変えているものもあります。

 

2017年版で感動的なのは画面、景色の美しさです。1974年版ではとても狭い空間で物語が展開していく感じがありますが、2017年版ではダイナミックなスケールとシャープで美しい映像で違う感覚に仕上がっています。

 

また、ポアロの人物像も一人の人間としての苦悩がきちんと伝わってきます。

 

全体の印象として、1974年版では「白か黒か」「善か悪か」をわかりやすく描いていたのに対し、2017年版は、白でも黒でもないグレイなところをとても繊細に描いているような気がしました。

 

そのあたり、とても現代的と思います。

 

昔の人は「白か黒か」だったところを、現代ではその間のグレイなところを許容する文化や、微妙な感情を認識する能力が育っているのではないでしょうか?

 

1974年版を研究し尽くした上で、あえて現代の視点から「オリエント急行」をとらえたケネス・ブラナー(監督、主演)の試みに、感動しました!

 

このように文化というものは、伝統を踏襲しつつ、さらなる高みを目指していくものですね✨