「費用対効果」という言葉がありますが、人は旅行に行くとき、どんな効果を求めるのでしょうか?
旅行って結構お金がかかりますので、旅行好きでない方は「なんで10日間のために、何十万も払うの?」と思われるでしょう。
まとまったお金を使うときは、意識的にも、また無意識でも「対価として何が得られるのか?」と考えているのだと思います。
40万を1週間の旅行に使う人もいれば、ブランドもののバックや時計に使う人もいれば、エステに使う人もいるかもしれません。
バックや時計は「モノ」なので、得られたものがわかりやすいですね。毎日眺めて「40万円でこれを買ったのだ」と実感することができます。
エステも、より美しくなっていれば、得られたものを毎日眺めることができるわけです。
でも旅行は、帰って来たらそれで終わり、また元の日常生活に戻ります。
買って来たお土産を見て、楽しかった旅行をお思い出すくらいですね。
でも、いつも旅行に行くと思うのですが、帰ってきた時の自分は、行く前の自分とは確実に何かが違うのです。
印象深い映画や、感動した本、素晴らしいコンサートを経験すると、経験する前の自分とは何かが違うのと似ています。
違うのが「何か?」は言葉で言い表したり、はっきりと感じるのは難しいので、多くの人は「旅行に行って得るもの」がわかりにくいのだと思います。
人は経験の蓄積で形成されている…と私は思っています。
もともとの性質や人柄はもちろんありますが、どんな経験をし、それをどう消化してきたか?でいまの自分があるのだと思います。
だとしたら、素晴らしい経験をすることは何にも変えがたく、形として残らなくても確実に自分という人間に蓄積されているのではないでしょうか?
旅で得るもの…
形にならなくても、とても貴重ですね。